こんにちは、韓国留学中のあやです。
韓国ドラマでは定番の時代劇!その時代に詳しくなくとも物語りなどは楽しめます。
しかし衣装の特徴などが分かれば、よりドラマを楽しく見ることができるかもしれません!
今回は韓国ドラマの時代劇でよく見る衣装について紹介していきます。
衣装で身分の違いを理解してより深くドラマを楽しんでみませんか?
目次
王族
今回は大きく分けて「王族」「貴」「平民」「賎民」の4つを見ていきましょう。
まずは王族からです。日本でも同じですが、王族が一番綺麗で派手な格好をしています。
単に王と王妃・その子どもというだけでなく、そのほかにも地位があるので関係とともに1つずつ見ていきましょう。
王(왕/ワン)
まずは時代劇では欠かせない王様からです。臣下たちからは「전하(チョナ)」とも呼ばれます。
王様は赤の地に金色のマークが着いた服を着ています。この胸元、そして肩に光るマークこそが王の証!
ちなみにこの胸元のマークのことを胸章、肩についたマークを肩章と言います。
他に赤い服を着ている人はいますが、このマークがついた人はほぼ見ることができません。ほぼとは…?その理由は後ほど!
世子(세자/セジャ)
世子とは王の息子の中でも次期の王となる子を指します。
実は世子の衣装を見ると王と同じ金色のマークが!次期の王ということで同じマークがついているんです。もちろん肩章もついています。
しかし違うのはカラー。王は赤色の地であったのに対し、世子は青色の衣装を着ています。
ちなみに「저하(チョハ)」と呼ばれることもあります。
王妃・中殿(왕비/ワンビ 중전/チュンジョン)
ワンビは日本と同じ王妃、そして中殿は日本でいうところの正室(第1王妃)です。
王妃にも王と同じように衣装にマークが付いています。
しかし大きさと描かれている動物が異なります。
大きさは王より小さめ、そして動物は鳳凰が描かれています。ちなみに王は龍が描かれています。
王妃と中殿はどちらも女性とあって、カラフルで素敵な韓服を身にまとっています。
色の違いなどはあまり無いようですが、ところどころのディティールに注目しましょう。
やはり中殿のほうがカラフル、さらに髪飾りも大きくて派手な物を身に着けています。
つまり盛り盛りです(笑)
こうした違いに注目すると立場関係も理解しやすいかもしれません。
世子嬪(세자빈/セジャビン)
名前の通り世子の王妃となる人物です。
先ほどご紹介した王妃たちとあまり大きな違いはありませんが、やはり序列では王妃たちより下となるため、より控えめな衣装を着ています。
宮女・内侍(궁녀/クンニョ・내시/ネシ)
厳密には王族ではないのですが、この2つについてもご紹介します。
宮女とは王妃について身の回りのお世話をする女性たちのこと。
反対に内侍は王様について身の回りのお世話をする男性のことを指します。
ちなみにこの時代、言い方はあまり宜しくないですが、宮女も王様の女性という認識です。
そのためなにかと関わりがある宮女と内侍が恋仲にならないように、内侍は宦官と決められていました。
さて話は少しそれましたが宮女の場合は赤色の上着に青色スカートの衣装、内侍の場合は緑色の衣装を着ていることがほとんどです。
貴族
両班(양반/ヤンバン)
では次に貴族に当たる両班を見ていきましょう。
ちなみに両班は試験を受けて宮廷で働く公務員のような仕事の他、軍人や日本でいう武士のような仕事をすることができました。
職業を選択する権利があったのです。
臣下(신하/シナ)
両班たちが公務員試験に無事合格すると、宮中で仕事をすることとなります。
臣下と呼ばれますが、宮中では役職に応じて様々な色の服を着ています。
中でも一番身分が高いのが赤色とされています。そのほか紫・青・緑などがあります。
日本で言えば冠位十二階に似たものが感じられます。
そして男性で一番特徴的なのは帽子です。
宮廷内で仕事をする際には사모(サモ)とよばれる烏帽子のような帽子を被っており、外出する時には갓(カッ)と呼ばれる女優帽のようにつばが広い黒い帽子をかぶっています。
そのため男性の場合は帽子をかぶっていれば、「身分が高いんだな」と思ってもらってOKです。
女性の場合
ちなみに女性たちは綺麗めの韓服に、髪飾りという衣装が一般的です。スカート(チマ)の丈も比較的長めに作られています。
位が上の女官たちは緑色の上着に青いスカート、一般宮女たちは淡い赤色に青いスカート。
そして見習い宮女たちは薄い桃色に青いスカートというのが一般的だったようです。
染物が高くほぼ中国から輸入していたこの時代、色が濃い服ほど高級品だったということを考えれば、序列も良く分かりそうです。
衆民(중민/チュンミン)
後ほどご紹介しますが、平民から成り上がったのが衆民です。
最初は存在しなかった身分のようですが、時代が進むにつれ平民の中でも頭の良い人々や武術に長けた人々が現れ始め、それなりに力を持ったためもう1つ地位が形成されるようになったと言われています。
しかし衆民は両班の1つ下の身分であり、両班より上に行くことはかないません。
ですが両班と同じく試験を受けて公務員や軍人になることは可能でした。
衣装も両班より少し劣ります。
ただここまで詳しくドラマでは描かれないことがほとんどです。
韓国の友人からも「両班と衆民の違いなんて、ドラマではわからないよ」とばっさりと言われました(笑)
平民(평민/ピョンミン)
平民は大多数の民を指し、もともと衆民もここに属していました。
平民になると両班や衆民と異なり、公務員試験や軍人試験は一般的に受けることができません。
また両班や衆民たちに支配される身分となるため、服装が一気に変化します。
色合いはかなり素朴になり、ブラウン・カーキ・ベージュといった今で言うアースカラーに近いような色合いになります。
男性はトップスの丈がかなり短くなってボトムスがしっかりと見えるようになり、女性の場合もスカートの丈が短くなります。
このように衣装が変化する理由は労働をするためです。労働をするのに動きやすい服装となるわけです。
また服の他にも女性の髪飾りはなくなり、男性はほぼちょんまげのような髪型となります。
賤人(천인/チョニン)
最後は賤人です。身分制度の中では一番下の地位となります。
言葉は少々きついですが、奴隷として扱われていた人々です。
平民でもかなり素朴な衣装でしたが、賤人になるともっと色合いが無くなりベージュあるいは白に近くなります。
백장(ペクジャン)といって家畜の処理などをする場合は、エプロンをつけていることもあります。
もちろんエプロンもほぼ色無しのものです。(一般的にはブラウンが多いようです)
いずれにせよ、一番色合いも見た目も質素でシンプルなのが賤人の特徴といえます。
妓生(기생/キセン)
番外編として職業の1つですが妓生という人々が存在します。
妓生は日本で言うところの遊女ですが、芸や踊りにとても長けていたと言われています。
この妓生たち、実は身分では賤人にあたります。
しかし貴族の前で芸を披露するということもあり、芸を披露しない普段から若干色のついた衣装を着ていたと言われています。
服の違いを理解してドラマをより楽しく!
韓国の時代劇に登場する人々の衣装についてご紹介しました。
大まかな特徴や違いを押さえておけば、時代劇ドラマを見るときにも役立つこと間違いなしです。
特に王族は細かく分かれているので最初は複雑かもしれませんが、見ているうちに段々と関係なども整理がつくかと思います。
ぜひこれからは衣装にも注目して、ドラマを見てみてください!