アンニョンハセヨ~~K-Hiphopラバーの大学生、sunkoです。
日本で第3次のブームを巻き起こしているK-pop。
その勢いと人気は日本のみならず世界を熱狂させる規模で、最近ではグラミー賞にプレゼンターとして出演したBTSの様子が話題になっていましたね。
今回はそんな韓国の音楽の中でも近年話題沸騰中の「ヒップホップ」について、簡単にご紹介したいと思います!
目次
そもそもヒップホップってなに?
韓国のみならず、日本でも「高校生RAP選手権」や「フリースタイルダンジョン」といった番組企画により注目を集めているヒップホップ。
最近よく耳にするようになったこの言葉ですが、もともと「ヒップホップ」というのは音楽ジャンルの名前というわけではなく、アメリカ・ニューヨークで1970年代に生まれたカルチャーの総称なんです。
ヒップホップといえば「ラップ」!というイメージが強いですが、もともとは「DJ」「ブレイクダンス」「グラフィティ」とあわせて4つの要素でなりたった黒人文化というところからスタートしています。
「KANYE WEST」や「KENDRICK LAMAR」「EMINEM」といったラッパーは日本でもファンが多いので、ヒップホップに詳しくなくても聞いたことがある方がほとんどでは?
ヒップホップ・ミュージックの特徴は、「ラップ」「繰り返しの多い音楽スタイル」「既存の楽曲からメロディなどを借りてくる手法(サンプリング)」などなど。
そんなヒップホップ・ミュージックの中でも、今回ご紹介する韓国ヒップホップ…「K-hiphop」はどんなものなのでしょうか?
人気のきっかけとなった火付け役番組
韓国でヒップホップ音楽が始まったのは、1990年代の話。
YGエンターテインメントの社長として有名なヤン・ヒョンソクがメンバーだったことでも知られる「서태지와 아이들(ソテジワアイドゥル:ソ・テジと子供たち)」や「DEUX(デュース)」といったグループがヒップホップ音楽を広めました。
また現在に至るまでさまざまなラッパーがアングラ(テレビなどのメディアに出ない)を含め、音楽シーンを盛り上げてきました。
Show Me the Money(SMTM)
そんな韓国ヒップホップが韓国内外ともに大きく注目されるひとつのきっかけとなったのは、韓国のケーブルテレビ局「Mnet」の企画番組である「Show Me the Money」。
サバイバル形式のラップ・バトル番組で、「サイファー」と呼ばれる即興ラップ対決や、有名なラッパーたちのプロデュースのもとに楽曲を披露する生放送のステージなど、目が離せない内容が盛りだくさん。
2012年のスタート以降、毎年夏に行われ、現在まで続くかなりの人気番組となっています。
タイトルに「Money」とあるように、優勝者には1億ウォン(2018年のシーズン7では2倍の2億ウォン)が与えられました。
また番組に出演することで実力を見せたり知名度を上げたりすることができ、毎年数千名の応募者がしのぎを削っています。
高等ラッパー
韓国の高校は、日本とは異なり略さずに「高等学校」と呼ばれるのが一般的。
「高等ラッパー」はその名の通り高校生ラッパーを対象としたラップ・バトル番組で、高校生版Show Me the Moneyという感じのプログラムです。
2018年で2回目とまだ歴史は浅いですが、若手だ子供だとあなどることなかれ!
過去2回ともかなりのハイレベルな戦いが繰り広げられており、番組で披露された曲が韓国の音楽チャートを総なめするなど大きな話題になりました。
昨年末には3回目となる高等ラッパーの企画が発表されており、今から注目を集めています。
初心者にもおすすめ!まずはこれを聞きたいおすすめたち
さて韓国のヒップホップムーブメントを簡単にさらってみましたが、ゴチャゴチャ説明するより重要なのは、その内容!音楽!ですよね。
ヒップホップと一口に言ってもいろんなスタイルがあるので、「なんかゴリゴリしててこわい」「韓国語がわからないからラップを聞いても…」といったイメージは一旦おいておいて、まずは聞いてみるのをおすすめします。
今回は初心者の方向けということで、ヒップホップをあまり聞いたことがなくても楽しめる親しみやすい曲や、なんか聞いたことある!という人気曲を中心にいくつかご紹介したいと思います。
로꼬 – 오랜만이야 Ft. Zion.T
先日、多くのファンに惜しまれながらも笑顔で入隊したラッパー「ロコ」。
先述の「Show Me the Money」の2012年の第1回で優勝しながらも、すぐに有名な音楽事務所に所属することなく、自身の音楽を追及してきた個性的なラッパーです。
ラッパー「Gray」とのニコイチの仲でも有名な彼は、愛らしいくまのような親しみやすいルックスと朴訥でやさしい声、生活に寄り添う共感を誘う歌詞で「ヒップホップ」のイメージが変わること間違いなし。
ご紹介するのは入隊前にリリースされたアルバムのタイトル曲、「It’s been a while」。
機械のような、でもなつかしさのある声としみいる楽曲で人気のZion.Tとコラボ。
2年弱のブランクは別れではなく、新しい出会いを前にした始まりであるというメッセージの込められた、あたたかい楽曲たちが詰まったプレゼントのようなアルバムです。
기리보이 – 호구 Prod. by Fisherman, Ft. BrotherSu
ラップや楽曲メイキングの才能に、話下手でキュートなキャラクターも相まって、日本でも人気の高いギリボイ。
この曲「ホグ」は、MV冒頭から日本語が繰り広げられる異色の作品!
ギリボイは、ナルトやワンピースなど漫画をはじめとした日本のカルチャーが好きなことで有名。
日本にもライブやイベントで多く来ていますが、そのたびに服や眼鏡など、ショッピングを楽しむ姿を目撃されています。
「ホグ」は「バカ」「まぬけ」のような意味なのですが、「彼女が自分からの電話に出ずにクラブに行っていても、他の男と会っていても好きなのをやめられない」という歌詞の曲なんです。
会うたび子犬みたいに舞い上がってしまう、君は女神だから、もうお金で解決するならなんだって買ってあげる…。
恋のせいで盲目になった男を語る耳に痛い歌詞ですが、ポップなMVとあいまってなんだかかわいらしく思えてしまいますね。
フィーチャリングのBrotherSuはシンガーソングライターで、有名どころでは「BTS」などにも楽曲提供しています。
いろいろなジャンルのコラボレーションを楽しめるのも、ヒップホップの楽しいところです。
페노메코 (PENOMECO) – No.5 (Feat. Crush)
SHINeeのKeyがMCに挑戦したことでも注目を集めた、Mnetのサバイバル番組「Breakers(ブレイカーズ)」。
SMTMや高等ラッパーの人気の流れを汲んで企画されたこの番組は、なんとシンガーソングライターによるバトルという新しい内容。
実力派ばかりの参加者と、超豪華なゲストを迎えたステージで話題となりました。
そんなBreakersの初代優勝者が、ラッパー「PENOMECO(ペノメコ)」。
同じくラッパーでありblock.Bのリーダーとしても有名な「ZICO」とは中高時代からの付き合いで、「Dean」「Crush」DJ兼作曲家の「Millic(ミリク)」、作曲やアレンジ・プロデュースを生業とする「Staytune」と6人で「Fanxychild」というクルー(音楽ユニット)を組んでいます。
独特の高く不思議な響きの声と弾けるようなラップが気持ちよく、ラップを全面に押し出した曲も親しみやすいメロディで聞きやすい曲もあり、さまざまな世界観が楽しめるPENOMECO。
最近はEXO「Tempo」の作詞、Red Velvet「Dress」「Taste」への参加など、SMのアイドルたちとのコラボも大注目。
빈지노 (Beenzino) – Life In Color
最後に紹介するのは、実力だけでなく顔もスタイルもかっこいいラッパー「Beenzino(ビンジノ)」。
最初に紹介したロコと入れ違いの形で、兵役から待望の帰還を果たしました!
ビンジノは同業者にもファンにも、ヒップホップに興味のないひとにも人気のあるアーティスト。EXOのチャニョルが大ファンで有名ですね。
彼のハズレのないアルバムは毎度完成度が高く、MVのない曲にこそ名曲が多い、ぜひCDを手にしてほしいラッパーです。
特に「24:26」は大プッシュしたい!Dynamic Duoとのコラボ曲、クールでいかした「Nike Shoes」から始まるインパクトのある1枚で、聞けばハマること間違いなし。
「朝日でナチュラルに日焼けしたチューリップみたいに なんてビビッドなur lips」…歌詞もおしゃれでひとつのアートのようです。除隊後の活動に注目!
韓国ヒップホップの世界へようこそ!
韓国語ならではのリズム感で、耳に楽しいK-hiphop。
フィーチャリングで参加しているアーティストが気になって、プロデューサーが気になって…。気づけばあれもこれも聞き出してしまう「沼」にはまっているはず!
まだ聞いたことのない方はぜひ聞いてみて、そしてハマってくださいね。